サイバーセキュリティと皆保険など

家族に介護従事者が生じ、フルタイムでの専従業務が終了となりました。
専従業務で知り得た情報等は、コンプライアンス上墓場まで持って行かねばなりません。
でも折角得た情報とノウハウは記録に留めて自身の財産としたいものです。
そこで前職で培ったサイバーセキュリティの復習をしました。
その中で2016年4月22日付の別冊日経サイエンスの記事に「皆保険」関連で面白いものを発見。

米国においての前提で、DNAという個人情報の漏えい等がもたらすリスクについて、
「日本やカナダなどと同様な「皆保険制度」を導入することで、集団において保険料が分散化・平準化され、DNA情報を盗用する動機と利益が希薄化する。」
「その為、保険加入を断られる心配がなくなる。また、保険料額が高額化することによる就職の困難度の上昇もなくなる。」
という主旨のものでした。
確かに個人情報による差異を薄める操作を行って、個人情報の価値を集団で希釈すれば、個人情報の漏えい、盗用のニーズも減りますね。

ただし別なリスクとして、皆保険の保険者である行政側で、DNAについて特性をカテゴライズした集団ごとに保険料設定等が行われるようになると、部分集団に対する差別が生じる?
それはつい最近「誤った差別で大問題だ」と認識された事例と同様になる恐れが甚大では?
情報は常に「未知、不正確、不十分」であることを前提に「常に謙虚に」考えを進めなければ極めて危険ですね。

またマイナンバー関連では「オニオンルーティング」的な方法論は取れないものかなどと考えさせられますが、またの機会に・・・。