等級判定のガイドラインに関する精神科七者懇談会の申入れについて

本年12月12日付の日経新聞の記事に精神障害判定指針(等級判定のガイドラインの事と考えます)の件が載りました。「厚生労働省が来年から導入予定の新しい判定指針について、全国の精神科医でつくる団体が「障害基礎年金を受け取っている精神・知的・発達障害者のうち、1割に当たる約7万9千人が支給停止や支給減額になる恐れがある」との推計を12日までにまとめた。」「日本精神神経学会など7団体でつくる「精神科七者懇談会」で、同会は「年金を受給できなくなると障害者は大きく動揺し、症状の悪化や意欲の低下につながる」と指摘。厚労省に柔軟な対応を申し入れた。」と言うものです。
約1割と言う数値をどのように算出したのか、障害厚生年金への影響はどうなのか、そして何より「柔軟な対応」を申し入れたとは一体何なのか?判定指針として判断の基準となるべきものに対し何故「柔軟な対応」と言う表現を使用しなければならなかったのか?柔軟な対応では是正したかった地域格差の解消が不支給率が増加しながら残存しないか、認定医の判断格差が解消されないのではないか等の疑問も感じます。「日常生活能力の程度、判定」が客観性、合理性、社会相当性を持って、全国各地域の請求者に共通的に納得性の高い判定が得られるべきであると思います。今後の情報収集と指針の運用を含め、経緯の見守りが重要になりそうです。

被用者年金一元化のFAQは12月?

被用者年金一元化に付いては今月末頃に年金機構で検討が行われるらしいです。流石に千ページを超える通達は熟し切れないかと思われますね。
12月に入れば詳細な情報も届く事と思います。皆様により分かり易くお伝え出来ればと思います。

被用者年金一元化でのワンストップのご注意

被用者年金一元化はワンストップサービスもその目的の一つとされています。
しかし、一元化後でもワンストップにならない手続も幾つか有ります。
その一つとして、女性の「特別支給」の老齢(退職)年金の支給要件です。
(旧)厚生年金では女性は男性の5年後の出生年で男性のそれと同じ受給権発生(受発)とされています。
共済年金(旧制度名称ですが敢えて使います)では男女は同年齢での適用で受発は同時期です。
この年齢差による手続の差異はワンストップの対象外です。
例えば、昭和30年11月〇〇日生の女性で、共済組合員期間を6月、厚生年金被保険者期間を6月有している人は、今年の11月誕生日前日に先ず厚生年金の受発となります。
(本年10月以降の受発で、共済期間と厚生年金期間とを合算して1年以上になり、男性の昭和25年11月生と同じ扱いの為)
6月分の期間での老齢厚生年金が12月が支給開始月となります。実際の支給は来年2月15日からで、これは年金事務所系の手続。
ですが、退職共済年金の方は62歳で受発です。(2年後の12月から支給開始、支払い開始は前述と同様に翌年2月から)これは共済組合の手続。
この様な感じで、窓口が異なることになりますので注意が必要です。

マイナンバー、被用者年金一元化、添付の住民票は?

厚生年金の裁定請求時に住民票を添付しますね。その時に注意点が。
老齢年金を例にとって見ます。
旧の厚生年金はマイナンバーの記載のない住民票で申請です。
マイナンバーが記載されていたら、年金事務所ではマイナンバーの部分に付箋を貼ってマスクし、コピーを取り、そのコピーに原本証明をします。
元の住民票はその場でご本人に返却します。
では、旧の共済年金はどうなる?そして年金の受付のワンストップの対応は?
この場合はマイナンバーの記載が必要です。すると、年金事務所はどう扱うのでしょうか?
一応、マイナンバー部分を見ないで共済組合へ転送(郵送)することになるそうです。
実体としては、直接共済組合事務所へ提出してくれと言う事になりそうとの見込みです。
裁定請求をされる方のご参考になれば何よりです。

一元化(被用者年金)後の加給年金額で一部訂正が有ります。

一元化(被用者年金)後の加給年金額で一部訂正です。
例えば、H27.9.30までで配偶者の加給年金額の加算対象となっている方について、H27.10.1時点で受給している各老齢年金の厚生年金の被保険者期間と共済年金の組合員の加入者期間を合算した被保険者等の期間が240月以上(老齢満了)になっている場合でも、10月以降も加給年金額は停止とならない事が確定しました。振替加算も同様のケースは停止とならないことになります。既に発生した権利(既得権)と言う意味の様です。通達文書からはH27.10.1以降に被保険者等の加入期間が退職時や年齢による改定等で「増加」して240月に達した場合はやはり停止されるだろうと予測されます。(年管管発0930第13号 平成27年9月30日 等)
→元のブログはこちら

被扶養配偶者のマイナンバー取得に関連して補足です。

前回のブログの被扶養配偶者に関連して補足です。
新規で国年第3号被保険者に該当する場合の委任状ですが、単独の委任状である必要性は有りませんね。
被扶養者の報告・申告書の1項目として委任する事の明記が出来れば足ります。
しかし、被扶養配偶者に対する利用目的の明示文書を別出しにするか、その報告・申告書の一部に記載するかは考えどころです。
出来れば報告・申告書の一部として、目的の通知も併せて行った事が書証として残るようにすると効率的ですね。
ちなみに社労士向けには、東京都社会保険労務士会の資料はその形式のサンプルが掲載されています。
従業員さんに対しては就業規則等に明記して周知する事で包括的同意となると考えられますが、説明会で皆さんから説明を受けた旨、署名を残せばより確実ではないでしょうか。

被扶養配偶者や被扶養者のマイナンバー取得の注意点

被扶養配偶者や被扶養者のマイナンバー取得関係について、質問を受けて整理しました。
基本事項として、マイナンバーを記載する書類を提出する場合、本人が提出する時は委任状は不要。誰かが代行する時は委任状が必要です。
例えば厚生年金適用事業所の場合。Aさんが従業員とします。Aさんの配偶者とご家族などが既に被扶養者として登録されている場合は、被扶養者のマイナンバーを事業主に届け出るのはAさんの義務となります。この場合配偶者等からの委任状は不要です。Aさんが新たに配偶者を得た場合等で、被扶養配偶者として第3号被保険者(国民年金)に種別変更の手続が必要な場合は、原則はその被扶養配偶者ご自身が種別変更の届出義務があるので、Aさんの配偶者はAさんを事業主さんにマイナンバーを「提供」する受任者として委任状を提出しないと事業種が手続を代行することが出来ません。
既に被扶養者なのかこれから新規なのかで手続が異なるということです。理由は手続をする人かそうでないか、被扶養配偶者は本来は配偶者自身が第3号被保険者への種別変更をしなければならない、と言う2点に有ると言えるでしょう。

マイナンバーでの源泉徴収票関連のおさらい

マイナンバーが実際に運用(内閣官房のサイトでは「利用」ですが、ここでは運用としておきます)を開始するのは平成28年1月1日からです。
本年(平成27年)の源泉徴収票などではマイナンバーは無関係です。
でも来年(平成28年)1月1日以降の退職、雇用の際にはマイナンバーの事業主への通知が必要となります。
だから、今年の年末調整(扶養控除等申告書などを出してもらう)のタイミングで従業員さんのマイナンバーを本人確認&収集して準備を進める事は労使共に手間が省けてメリットだと思います。
1月1日時点の住所等の確認を行う場合の際でも良いですが、特に退職される方が直後にいらっしゃる場合はタイミングが難しいですね。
前提として、マイナンバーの収集(本人から)・保管・利用・提供(他者へ)・廃棄の手段・方法、業務フロー、監査等は別途、良く吟味してくださいね。
ご注意!
期間の定めのある雇用契約で「来年に雇用契約の終了を予定している従業員さん」に対して、上記の各種情報を収集する時は、その雇用期間中の必要の為と明示すべきです。
でないと「契約期間の更新の合理的期待」を抱かれたとしても反論が困難となります。

遺族共済年金(旧名称)の転給制度のご注意

遺族共済年金(旧名称)の転給制度はこの10月から廃止となりました。この9月以前に既に受給されていて10月以降も継続して受給されている場合でも今後は転給とはなりません。10月以降の新たな権利関係の変更だからです。ご注意をお願いします。

年金関連情報の漏洩事故のフォローに付いて

日本年金機構から情報漏洩事故の対応として、通知が出ました。事業所の従業員さんで漏洩の対象者と成ってしまった方がいらっしゃる場合です。この方が一元化後の厚生年金の被保険者等の場合には、事業主さんに旧の年金番号が新の何番の年金番号と成ったかの通知が届くそうです。対象者さんが自ら事業主さんに申し出る手間や忘れ防止には良いですね。後は新たな漏洩リスクが生じないようにきっちりと手順を設計して関係者全員に周知徹底して遵守して頂くことをお願いしたいところです。トラブル対処は往々にして視野が狭くなって、影響やリスクの読みが甘くなることが多いですから。「清廉、誠実で」(笑い)トラブル対処と対策実施の経験が豊富なコンサルタント等が付いていると良いですね。