国民年金の第1号被保険者で「特別催告状」を受けてしまった時の対応について

この記事は「特別催告状」を受けてしまった場合に限ります。
日本年金機構からの通知でタイトルが「特別催告状」以外の通知は対象外です!

特別催告状の文面には強制徴収される様な事も記載されているのでびっくりする方も居るでしょう。
でも慌てずに対応して行きましょう。

納付出来るなら納付すればOK。

でも納付できないから特別催告状が来ちゃった方も多いでしょう。
納付が困難な方は、免除、または、猶予、学生の方(認定校に在学の方が対象)は「学生納付特例」の申請を検討して下さい。
先ずは通知文の連絡先に連絡して見て下さい。

市区町村の窓口に行くことになった場合の対応の概要を以下に記載しますのでご参考に。
(行く前に、念の為、細かな点を居住の市区町村の国民年金窓口に問合せした方が良いかも知れません。)

免除、または、猶予の申請で、ざっくり言って過去3年位より最近に離職した方は、以下のいずれか(原則は1つの離職についいて、どれか1つずつと考えて下さい)
  離職関係書類の適用可能期間は「離職の年の翌々年の6月までの免除期間」となっていて、分かり難いので、問合せて確認される事がお勧めです。

1.離職票(元の勤め先が出してくれるもの)、
2.受給資格者証(ハローワーク(以下はHWと略)の出してくれる書類)、
3.雇用保険被保険者資格取得届確認照会回答書(略してHWの回答書、離職票や受給資格者証を失くした場合にHWが出してくれます。)
4.雇用保険非適用の一般の会社の方は「離職証明書」(雇用保険非適用の状況と離職時の税徴収の扱いの記載があって、本人印と元の事業主の証明印があるもの)
    この「離職証明書」は、市区町村の窓口で用紙を貰えるはずです。
    補足ですが、雇用保険非適用の方は雇用保険被保険者資格の得喪が無いので1.~3.は入手出来ないため、4.になる筈です。次の5.の方も辞令が無ければ同様。
5.共済組合員で雇用保険非適用だった方は、退職辞令、または、退職辞令が入手出来ない方は離職した組織から「離職証明書」(4.の事業主が元の所属機関のもの)
6.なお、私学共済で辞令をお持ちでない方は、別途、年金事務所か市区町村へお問い合わせ下さい。
7.個人事業主で事業を廃止した方は別なので、別途年金瑾機構か市区町村へ確認して下さい。(このケースは特別な書類が必要で少々複雑です。)

を準備して下さい。

そして手続に行って下さい。(郵送も可能ですが、記入や書類の不備があると少々厄介です。)
持ち物は、上記書類、年金手帳、運転免許証やパスポート等の身分証明書、認め印(朱肉を遣うタイプ、シャチハタは不可)、機構から来た通知文そのもの。

詳細は最寄りの市区町村の国民年金窓口へお問合せ下さい。

ストレスチェック制度の実効性と就業規則等による不利益扱禁止規定

いよいよ今月からストレスチェック制度が始まりました。
勿論、労働者自身のストレスの度合いも気になる点ではあります。
しかし、その中でも働く人達(労働者)にとって気になる点は不利益扱と事業者への結果の提供同意辺りではないかと思われます。
厚労省の資料から抜粋すると、以下の禁止が規定されていることが分かります。

事業者が以下の行為を行うことは禁止されています。
1.次のことを理由に労働者に対して不利益な取扱いを行うこと
・ 医師による面接指導を受けたい旨の申出を行ったこと
・ ストレスチェックを受けないこと
・ ストレスチェック結果の事業者への提供に同意しないこと
・ 医師による面接指導の申出を行わないこと
2. 面接指導の結果を理由として、解雇、雇い止め、退職勧奨、
  不当な動機・目的による配置転換・職位の変更を行うこと

しかし、一体どうやってこれらの不利益扱が行われない事が担保されるのでしょうか?
労働者は当然に、自分にストレスチェック結果で自分に何らかの対処が必要な状態であるとの結果が出た場合に、いわゆる「「問題児」扱いされて「問題児外し」をされる」のではないかと危惧するでしょう。
事業者と労働者とに確固たる信頼関係が確立されていればいざ知らず。
多くのケースで疑心暗鬼が生じる可能性が高いと考えざるを得ません。
しかしそれを実施すると将来に禍根を残します。新卒、中途採用、今後の外国人労働者の採用、敏感に反応が現れます。
更に、ストレスを抱える方は「問題児」ではなく、優秀な能力を保有しながらとても真面目である確率が非常に高い訳で、貴重な戦力の喪失となってしまいます。
その方々が、より就業環境の良い同業他社へ行って力を発揮したら、貴社は勝ち抜いて行けますか?

予防策は、就業規則や内規で不利益扱の禁止を明示し、共存(ダイバシティ)を基本とした労使が納得し得る「ストレスへの対応のガイドライン」を策定する事でしょう。
基準を決めて、就業の制限、職場配慮、就業転換、配置転換や休職もその基準に則って実施する事が大切と思われます。
また、その際に「個人情報の保護に関する規定の見直し」も行いたいものですね。
その時には是非、心に障がいを持った人の復職プログラムも策定して頂けると、より真摯な信頼関係の構築の基礎となると思われます。

中小企業退職金共済とマイナンバー

中小企業退職金共済(中退共)の被共済者(従業員の方)が、平成28年1月1日以降に、退職金(解約手当金)を請求する場合にはマイナンバーを提供する必要があります。
従って、その請求書と共に、中退共の本人確認書類(金額により、印鑑証明か住民票原本いずれか(マイナンバー記載の住民票の場合は後述の書類を一部省略可能になる場合有り)に加えて、
マイナンバーの確認書類(個人番号カードの表裏両面のコピー(身元確認書類を兼用)か、通知カードのコピーまたはマイナンバー記載の住民票原本、と、身元確認書類(運転免許証のコピーなど))を提出してもらう旨、中退共から通知が出ましたね。
各事業主さんはこれらの書類の取扱も細心の注意を払って行う義務があるので、事務担当者、責任者へ書面等によって周知し、指導を行った(対策を徹底した)記録を保存する等の対策が必要。要注意点の一つですね。

「じゃあ頑張ってね」という言葉の「こわさ」を改めて

今週もバタバタと過ぎて行きますが、そんな中でケースを振返って改めて感じたことをお伝えしたいと思います。但し実話が辿れないよう手を加えておりますのでご了承願います。
ある事業場での夕方の事です。慢性的に人手不足の、どこにでも有りがちな職場です。Aさんは未だ若手ですが職場内でもトップクラスの優秀で真面目な人柄です。
Bさんは翌日が休みのシフトなので楽しそうに帰り支度を手早く済ませ、その日の同じ日勤のAさんに向かって「私は明日は休み。あなたは明日は朝番からね。じゃあ頑張ってね。」と声を掛けて帰りました。ここまでは普通の話。
Aさんはその後、沈んだ様子で動けません。先のやり取りとその様子を見ていた副課長のCさんは「Aさん、どうした?大丈夫?」と声を掛けました。
Aさんは何も答え「られ」ずに、帰り支度をして帰って行きました。
そうです。Aさんは「「心の障がい」を持っているのです。それは課長と副課長のCさん達ごく一部の人しか知りませんし、勿論Bさんも知りません。
Cさんはそれを知っていたから、Aさんの様子の変化に気が付いたのです。
Cさんは今日も残業です。AさんからCさんにメールが届きました。Aさんは誰よりもCさんを信頼している様です。
内容は「私(Aさんの事です)はもう一杯一杯で頑張っているんです。そんな私にこれ以上頑張れって言うんでしょうか?休みでゆっくり出来る人が、一杯一杯の人に更に頑張れって言うんでしょうか?」
それは悲痛な魂の叫び声でした。
いろいろなところでボタンの掛け違いは生じますが、修復はなかなかに難しい。
先ずはその人の「思い」を受け止めて・・・。
私(藤田)レベルの社労士では、このようなケースの救援要請に対しては、組織的、制度的、社会保障的側面からの遠回りな支援が限界と感じています。
「ダイバシティ」がもっともっと広く一般に認知され、実体化されれば、悲痛な思いをする人もどんどん減ると思います。
企業サイドでは職場復帰サポートプログラムの整備拡充が進みつつあります。
一歩一歩でも進めて行ければと思います。

ある学校の課外授業をサポートして感じた事

先週末にある学校の「労働と社会保険など」に関する課外授業のサポートをさせて頂きました。
(余り具体的な事は記載出来ないのでご了承下さい。)
テーマは働く意義、ホワイト的な企業とブラック的な企業、給与から控除される保険料など、翌週から始まる職場体験授業に向かってのマナー、経済と道徳の関係などです。
結果はとても良かったと言えると思います。
生徒さんたちは皆さん真剣に聴講してくれて、いわゆる「授業にならない」などと言う問題は皆無でした。
広い施設を使用して2時限(2コマ)の授業でしたが、その施設への入場から最後のご挨拶までとてもきちんとした態度行動でとても素晴らしかったです。
終了時のアンケートでもテーマが適切に伝わったことが感じられ、もっと知りたいと言う要望も多く寄せられました。
そして責任者の先生から「来年も宜しくお願いします!」とおっしゃって頂けたこと。
今後の課題としては、やはり2時限ではとても伝えきれないことが山ほどありシリーズ化とかを検討する必要が有りそうだということ。
人として「当為」を考えるうえでも、自助、共助、公助の概要なども今後テーマ化したい内容だと思いました。

この9/30に施行された派遣法改正について

10/1に統括支部の必須研修会へ参加して来ましたが、この9/30に施行された派遣法改正もテーマの一つでした。
今回の改正内容については、各種、議論のある事と思います。
限られた範囲の経験ですが、派遣元管理責任者としての派遣労働者のユニオンさんとの交渉や派遣労働者さんの雇用管理(雇止めを含めて)からは、政令26業種を分かり易くするなどと言う理由ではなく、派遣先さんの事業や職務と派遣労働者さんの立ち位置(意図するライフスタイルを含めて)の区分をもっと層別した制度設計にしないと、「将来に亘って」双方(プラス、派遣元さんとこれから就業しようとする人たち)の利益になる制度になって行かないのではないかと感じます。今後の状況をフォローして行く必要性を痛感しました。