国民年金の後納保険料制度について

過去10年間に遡っての保険料を納付出来る後納制度は本年9月30日をもって終了しました。
でも、5年間遡って納付出来る後納制度が、10月から始まりました。
色々な事情で未納となってしまった方々がいらっしゃいます。
免除申請などの手続も無年金や低年金額への対応方法の一つですね。
この後納保険料制度も是非、選択肢の一つとしてご検討頂けると良いと思います。

遺族共済年金(旧名称)の転給制度のご注意

遺族共済年金(旧名称)の転給制度はこの10月から廃止となりました。この9月以前に既に受給されていて10月以降も継続して受給されている場合でも今後は転給とはなりません。10月以降の新たな権利関係の変更だからです。ご注意をお願いします。

年金関連情報の漏洩事故のフォローに付いて

日本年金機構から情報漏洩事故の対応として、通知が出ました。事業所の従業員さんで漏洩の対象者と成ってしまった方がいらっしゃる場合です。この方が一元化後の厚生年金の被保険者等の場合には、事業主さんに旧の年金番号が新の何番の年金番号と成ったかの通知が届くそうです。対象者さんが自ら事業主さんに申し出る手間や忘れ防止には良いですね。後は新たな漏洩リスクが生じないようにきっちりと手順を設計して関係者全員に周知徹底して遵守して頂くことをお願いしたいところです。トラブル対処は往々にして視野が狭くなって、影響やリスクの読みが甘くなることが多いですから。「清廉、誠実で」(笑い)トラブル対処と対策実施の経験が豊富なコンサルタント等が付いていると良いですね。

あーあ!マイナンバー

本日(10/13)のニュースでマイナンバーのシステム発注に関して厚労省の室長補佐が収賄容疑で逮捕されたとの事。
単に容疑であって「疑わしきは被告人の利益に」でもありますが、マイナンバー制度の周知と特定個人情報保護徹底の啓蒙を推進して来た社労士の一員としては、市民の方々に不評を買うニュースですら生じさせないよう身を慎んでほしいと言うのが本音。中小の事業主さんに対して特定個人情報保護の重要性を伝えても「お前らは〇〇〇(三文字伏字)の手下か?わしらにはトリクルダウンのおこぼれすら全然来んぞ」と言われてしまいます。李下に冠を正さずと言うではありませんか。余りに脇が甘いと言われても仕方が無いところでしょう。

被用者年金一元化での在職老齢年金の支給停止解除について

被用者年金一元化での在職老齢年金の支給停止解除は、従来の厚生年金被保険者の方は、本年9月までは退職日の翌日が属する月の翌月でした。つまりある月の末日退職だと、その翌月はまだ停止したまま。翌々月からやっと支給停止が解除でした。この点は従来は苦情も結構あったとか。でも年金一元化の改定で、退職日の属する月の翌月から停止解除と成りました。つまり退職したら翌月からちゃんと年金額が改定されますね。但し、改定後の支払月から改定後の額が支給です。

「じゃあ頑張ってね」という言葉の「こわさ」を改めて

今週もバタバタと過ぎて行きますが、そんな中でケースを振返って改めて感じたことをお伝えしたいと思います。但し実話が辿れないよう手を加えておりますのでご了承願います。
ある事業場での夕方の事です。慢性的に人手不足の、どこにでも有りがちな職場です。Aさんは未だ若手ですが職場内でもトップクラスの優秀で真面目な人柄です。
Bさんは翌日が休みのシフトなので楽しそうに帰り支度を手早く済ませ、その日の同じ日勤のAさんに向かって「私は明日は休み。あなたは明日は朝番からね。じゃあ頑張ってね。」と声を掛けて帰りました。ここまでは普通の話。
Aさんはその後、沈んだ様子で動けません。先のやり取りとその様子を見ていた副課長のCさんは「Aさん、どうした?大丈夫?」と声を掛けました。
Aさんは何も答え「られ」ずに、帰り支度をして帰って行きました。
そうです。Aさんは「「心の障がい」を持っているのです。それは課長と副課長のCさん達ごく一部の人しか知りませんし、勿論Bさんも知りません。
Cさんはそれを知っていたから、Aさんの様子の変化に気が付いたのです。
Cさんは今日も残業です。AさんからCさんにメールが届きました。Aさんは誰よりもCさんを信頼している様です。
内容は「私(Aさんの事です)はもう一杯一杯で頑張っているんです。そんな私にこれ以上頑張れって言うんでしょうか?休みでゆっくり出来る人が、一杯一杯の人に更に頑張れって言うんでしょうか?」
それは悲痛な魂の叫び声でした。
いろいろなところでボタンの掛け違いは生じますが、修復はなかなかに難しい。
先ずはその人の「思い」を受け止めて・・・。
私(藤田)レベルの社労士では、このようなケースの救援要請に対しては、組織的、制度的、社会保障的側面からの遠回りな支援が限界と感じています。
「ダイバシティ」がもっともっと広く一般に認知され、実体化されれば、悲痛な思いをする人もどんどん減ると思います。
企業サイドでは職場復帰サポートプログラムの整備拡充が進みつつあります。
一歩一歩でも進めて行ければと思います。

ある学校の課外授業をサポートして感じた事

先週末にある学校の「労働と社会保険など」に関する課外授業のサポートをさせて頂きました。
(余り具体的な事は記載出来ないのでご了承下さい。)
テーマは働く意義、ホワイト的な企業とブラック的な企業、給与から控除される保険料など、翌週から始まる職場体験授業に向かってのマナー、経済と道徳の関係などです。
結果はとても良かったと言えると思います。
生徒さんたちは皆さん真剣に聴講してくれて、いわゆる「授業にならない」などと言う問題は皆無でした。
広い施設を使用して2時限(2コマ)の授業でしたが、その施設への入場から最後のご挨拶までとてもきちんとした態度行動でとても素晴らしかったです。
終了時のアンケートでもテーマが適切に伝わったことが感じられ、もっと知りたいと言う要望も多く寄せられました。
そして責任者の先生から「来年も宜しくお願いします!」とおっしゃって頂けたこと。
今後の課題としては、やはり2時限ではとても伝えきれないことが山ほどありシリーズ化とかを検討する必要が有りそうだということ。
人として「当為」を考えるうえでも、自助、共助、公助の概要なども今後テーマ化したい内容だと思いました。

一元化後の障害年金の支給額の調整(在職支給停止)について

9月までの共済年金では障害年金(共済)は在職老齢年金と同様に年金の支給額の調整(在職支給停止)が行われていた訳ですが、今回の一元化によって「職域加算相当の部分を除いて」年金の支給額の調整は行われなくなりました。
年金一元化で、厚生年金保険法(旧)に合せる事によって支給額がプラスになるケースの一つですね。
支給開始にあたっては、障害状態の再認定が必要な方も出るとの事ですので、該当の方には各組合さんから連絡が有ると思います。

一元化(被用者年金)後の加給年金額の続編

一元化(被用者年金)後に一元化によって加給年金額が停止になる場合は「支給停止事由該当」の届け出が必要です!
しかし、「停止に該当しますよ」と言う案内は直接には通知されない様です!各組合窓口等に確認が要りそう。以下に確認が要りそうな典型ケースをご案内。
例えば、奥様が従来からの厚生年金の被保険者期間を一年未満で有していて、更に共済年金の組合員か加入者期間を一年以上有していて、合算した被保険者等の期間が240月以上(老齢満了と呼びます)になる場合には、奥様の年齢や所得などによって、10月からご主人の年金への加給年金額が停止されるケースに該当する可能性が有ります!(額が変わるのは12月15日の支給分からが原則の筈です)
突然!の主な理由は特別支給の老齢厚生年金は男女で支給開始年齢に5歳の差が有ることと一元化によって被保険者等の期間が合算されることでしょうか。
届出は支給停止事由該当届(様式230号)になる筈ですので、ご確認頂ければと思います。

この9/30に施行された派遣法改正について

10/1に統括支部の必須研修会へ参加して来ましたが、この9/30に施行された派遣法改正もテーマの一つでした。
今回の改正内容については、各種、議論のある事と思います。
限られた範囲の経験ですが、派遣元管理責任者としての派遣労働者のユニオンさんとの交渉や派遣労働者さんの雇用管理(雇止めを含めて)からは、政令26業種を分かり易くするなどと言う理由ではなく、派遣先さんの事業や職務と派遣労働者さんの立ち位置(意図するライフスタイルを含めて)の区分をもっと層別した制度設計にしないと、「将来に亘って」双方(プラス、派遣元さんとこれから就業しようとする人たち)の利益になる制度になって行かないのではないかと感じます。今後の状況をフォローして行く必要性を痛感しました。